北海道新幹線2016.3新函館北斗開業ウェブサイト

函館商工会議所が所管する新幹線推進団体の活動アーカイブです

【質問】先日新聞で、国管理空港である函館空港は赤字運営、と報道されていました。新幹線が来れば空港運営は更に厳しくなることが予想され、北斗市に駅が出来る新幹線より、函館市内にある函館空港対策のほうが重要ではないでしょうか。

 
【お答え】報道に関係する収支資料は国土交通省webサイトで公開されており(http://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr5_000011.html)これによれば、収入要素と支出要素をどの範囲まで含めるかによって4パターンの試算が存在し、更に国管理部分ではないターミナルビル運営等収支を合算するかしないかなどでも、収支は全く異なる結果となります。国管理空港は国策と密接に関係して整備されてきた背景があり、単に赤字だといって地方に負担を転嫁したり、廃止に直結したりするというものでもありません。しかしながら、国の今後の方針には注視していく必要があり、将来にわたって空港を安定的に維持していくために地元として何が出来るか、新幹線開業対策の一環としてもあわせて考えていく必要があります。

 新幹線開業によって航空が受ける影響の例として、旅客競合による路線廃止や機材の減便・小型化があり、これによって貨物積載量が減少すれば地元産業の物流にも影響が生じるほか、空港運営においては減便・小型化によって重量毎に定められている滑走路着陸料収入が減少するなども想定されます。

 反対に、新幹線との競争は航空運賃の値下げをもたらし、運行ダイヤの改善等とあわせ利用者利便が高まることは利点に挙げられます。新函館駅よりも市街地に近い函館空港はもともと相応の利便性を有しているといえ、新幹線よりも空港対策が重要だと特にこだわらずとも、新幹線・航空の両事業者がそれぞれの利点を活かし、利用者利便に基づいたサービスを着実に展開していくことで、新幹線・航空ともに新たな旅客を誘発することにもなり、空港運営におけるデメリットを最小限に抑えることも出来るものと考えられます。


Tags:

Comments are closed.