北海道新幹線2016.3新函館北斗開業ウェブサイト

函館商工会議所が所管する新幹線推進団体の活動アーカイブです

Archive for 11月, 2015

2015youbou北海道新幹線新函館開業対策推進機構(会長:西村憲人函館商工会議所副会頭)では、北海道旅客鉄道株式会社に対する標記要望活動を、さる11月17日に実施しました。

北海道新幹線開業まで残り5ヶ月を切り、12月に予定されている新幹線の運行ダイヤ・特急料金認可の発表を見据え、開業後の経済効果を高めることを目的に、昨年9月に引き続いての要望となりました。

当日は西村会長、森副会長((一社)函館国際観光コンベンション協会副会長)、種田副会長代理(函館市企画部長)ら4名が北海道旅客鉄道本社(札幌市)を訪問、下記の10項目を記載した要望書を手渡しました。

 

 

 

1 新函館北斗・函館間の鉄道アクセスの充実について

  • 新函館北斗駅での新幹線上下線と「はこだてライナー」の乗り継ぎにおいて、同一平面での乗り継ぎが最大限確保される運行ダイヤの設定
  • 新函館北斗駅での新幹線上下線と「はこだてライナー」の乗り継ぎにおいて、同一平面乗り継ぎができない運行便についてホーム昇降移動の負担軽減が図られるよう、在来線第二ホームへのエスカレーターの設置
  • 編成増結など「はこだてライナー」の混雑緩和策の実施
  • 「はこだてライナー」への函館らしさを感じることができるデザインの導入
  • 新青森・青森間に準じた特急乗車時の特急料金不要特例の検討

2 北海道新幹線運行の充実について

  • 新函館北斗駅における新幹線上下線毎時1本程度の運行
  • 自由席車両の導入の検討
  • 既存の本州方面割引企画きっぷと同等の多様な割引きっぷの販売
  • 東京・新函館北斗間の3時間台の運行に向けた青函共用走行区間速度制限の一日も早い解決のための技術開発並びに導入の推進

3 ICカードシステムの導入について

  • 新幹線利用客の利便性を高めるための新函館北斗・函館間へのICカードシステムの導入

当機構では今後とも新幹線を取り巻く情勢を注視しつつ、必要に応じ関係機関等への要望活動を行ってまいります。


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【質問】青森と函館の商工会議所が合同でJR北海道に北海道新幹線の割引切符等販売の要望活動を行ったとのことですが、私も発表された料金は高いと感じていたので、今後の割引切符の動向を注視したいと思っています。

 

【お答え】青森・函館商工会議所連名による合同要望は青函ツインシティ提携以降初めて実施されたもので、10月13日にJR北海道が国交省に申請した特急料金に関する双方の役員等の声の高まりを踏まえ、去る10月28日JR北海道に対し利用しやすい多様な割引切符・商品等の販売について要請を行いました。

現在の青森・函館間の在来線特急指定席料金2,250円に対し、JR北海道が申請した新青森・新函館北斗間148.8kmの新幹線特急料金は4,450円で、2,200円増となっています。この特急料金4,450円は、運行距離がほぼ倍の東海道新幹線東京・豊橋間293.6km3,860円、上越新幹線東京・燕三条間293.8km4,200円よりも高く、東北新幹線と比べると約5割増しの水準で申請されています。東海道・山陽、東北新幹線ではかつて、高速化と時間短縮が図られた際に付加価値分が値上げされたことがありますが、北海道新幹線のうち82km(全体の約55%)は、開業後も在来線特急と同じ140km/hで走行し、時間短縮は図られていません。

JR北海道の特急料金申請時の報道発表資料では、お得な切符の設定例も示されましたが、この切符は「早期申込・列車・席数・インターネット予約限定で発売を検討」と注記されています。現在JR東日本が実施している同種サービス「モバイルSuica特急券」や「えきねっとトクだ値」のケースでは、割引設定は新幹線区間のみであり、青森・函館間で利用する場合は、在来線部分の運賃は新幹線とは通算されず、「青森・新青森運賃190円」「新函館北斗・函館間運賃360円」計550円(往復1,100円)が別途必要になり、さらに在来線切符を2回購入する手間が生じると想定されますが、北海道新幹線がどうなるかはまだJRから案内はありません。

こうした新規サービスは、利用条件にあてはまる人にとってはメリットとなりますが、例えばクレジットカードを持たない学生等はインターネット割引サービスを利用することができないなど、どんな方々にとっても使い勝手が良い従来の紙の切符や旅行商品の維持・新設は、北海道新幹線の利用増進において重要な意味を持っています。特に、新幹線と航空各社との価格・サービス競争が見込まれる首都圏とは異なり、青森・函館間は他に選択できる交通手段がフェリーしかない(在来線や高速バスがない)ため競争原理が作用しにくく、旅客流動の活性化にはJRの理解と協力が不可欠な特別な地域です。新幹線の利用増進に繋がる津軽海峡エリアのビジネスマッチングや販路拡大施策に取り組んでいる青森・函館商工会議所としても、引き続き動向を注視しながら両地域の関係機関と連携し要請活動等に取り組んでまいります。


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